水道:メーターユニットとメーターバイパスユニット

2022年11月29日 15:14
メーターユニットとメーターバイパスユニットを解説するツバメに乗った救急水道サービスの水滴マスコット
水道:メーターユニットとメーターバイパスユニット|断水リスク低減と取替え性を両立する計量設備の基礎

水道の基礎知識メータ設備集合住宅・商業施設

メーターユニットとメーターバイパスユニット|断水リスク低減と取替え性を両立する計量設備の基礎

水道メーターは検定満期ごとに取替えが必要です。集合住宅や商業施設では、取替え時の断水や漏水事故を最小化するためにメーターユニットメーターバイパスユニットが採用されます。本稿では両者の役割・構造・メリット、採用シーンや運用のポイントを分かりやすく整理します。

1. 定義と基本的な役割

メーターユニット

・メーター本体と前後弁、逆止弁、継手などを一体化したユニット。

・集合住宅の各戸メーターで普及。取替え作業が容易だが、作業中は断水になります。

・漏水事故防止(閉止手順が明確)・作業時間短縮に有効。

メーターバイパスユニット

・メーター本体の迂回(バイパス)ラインを備えたユニット。

・取替え時にバイパス側で通水できるため、断水せずに交換が可能。

・親メーター(全館計量)や直結増圧方式など、断水影響が大きい建物で採用。

2. 代表的な構成(概念)と流れ

・メーターユニット:止水弁 → 逆止弁 → メーター → 止水弁 の直列構成。

・バイパスユニット:主系(メーター経路)バイパス系(バルブ付)の二系統。取替え時は主系を閉、バイパスを開にして通水維持。

・誤操作防止のため、施錠ハンドル封印(封緘)を併用する仕様が一般的。

3. 採用シーンとメリット・留意点

集合住宅(各戸メーター)

・メーターユニットで十分なケースが多い。

・取替え時の短時間断水は告知で対応しやすい。

親メーター/商業施設/直結増圧方式

・全館断水の影響が大。バイパスユニットで通水維持し、営業・居住への影響を回避。

・構成が増える分、設置スペースと保守計画が必要。

4. 取替え時の標準手順(概略)

  1. 関係者への事前告知、作業標識・安全養生を実施。
  2. (バイパス有)主系閉止→バイパス開放で通水維持。(バイパス無しは断水)
  3. メーター取外し→新メーター取付け、パッキン・継手の確認。
  4. 主系通水→漏れ・指針動作・逆止弁作動を確認、バイパス閉止(封緘)。
  5. 通水後のエア抜き・濁り確認、記録・封印・復旧報告。

※建物方式(直結増圧・受水槽)や自治体仕様により手順が異なるため、現場仕様書に従います。

5. 設置・保守で押さえるチェックポイント

・メーター前後の直管長・ストレーナ有無(計量精度と詰まり対策)。

・逆止弁の方向・作動確認(逆流防止)。

・バイパス弁の施錠・封印(不正流用防止)。

・保温・防露・防錆(屋外設置や機械室での結露対策)。

・点検スペースの確保(ハンドル操作・メーター読取・交換スペース)。

6. どちらを選ぶ?ユニット選定の考え方

メーターユニットを選ぶ場合

・各戸個別で短時間の断水許容、コスト・省スペースを重視。

・シンプル構成で点検が容易。

メーターバイパスユニットを選ぶ場合

・親メーター・商業施設・医療介護施設など断水影響が大きい。

・取替え・点検の柔軟性と連続給水性を重視。

7. まとめと要点コピーボックス

メーターユニットは取替えの簡便化、メーターバイパスユニットは断水回避と連続給水が最大の強みです。建物用途・断水許容度・保守計画を踏まえ、最適な計量設備を選定しましょう。

【要点まとめ|メーターユニット vs メーターバイパスユニット】
・メーターユニット:取替え容易だが作業中は断水
・バイパスユニット:取替え時も通水可=全戸・全館断水を回避
・採用先:各戸(前者)/親メーター・大規模施設(後者)
・保守:逆止弁・封印・保温・点検スペースの確保が重要
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