導水管とは?

2025年11月24日 17:57
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導水管とは?|役割・仕組み・破裂すると何が起きるのか

ニュースなどで「導水管の破裂」「導水管のトラブル」という言葉を耳にすることがあります。導水管は、私たちの蛇口に水が届くまでの流れの中で、水源から浄水場へ水を運ぶ“水の大動脈”のような存在です。大規模な断水につながることもある重要な設備ですが、普段の生活の中ではあまり意識されることがありません。

導水管とは

導水管(どうすいかん)とは、ダム・河川・地下水などの水源から、浄水場まで水を運ぶための大規模な水道管のことです。ここを流れているのは、まだ消毒やろ過をしていない「原水(げんすい)」であり、浄水場で処理されて初めて飲み水として利用できるようになります。

家庭の蛇口に水が届くまでの流れを簡単に表すと、次のようになります。

水源(ダム・河川・地下水など)導水管浄水場送水管配水池配水管各家庭・建物

この中で導水管は、最も上流側に位置する重要な管路であり、ここにトラブルが起きると広範囲に影響が出るのが特徴です。

導水管の主な役割

導水管には、次のような役割があります。

  • 水源から離れた場所にある浄水場まで、安定して水を送り続ける
  • 雨量の変化や季節による使用量の変動に対応し、大量の水を運べるようにする
  • 山間部のダムや川と、市街地・住宅地をつなぐ“水の通り道”になる

どれだけ蛇口をひねっても、そもそも導水管が水を運んでくれなければ水は出ません。普段は目に見えませんが、生活インフラを支える重要な設備です。

導水管の特徴

導水管には、一般家庭の水道管とは大きく違う特徴があります。

  • 直径が非常に大きい
    地域によっては直径1mを超える管が使われることもあり、一度に大量の水を流せる構造になっています。
  • 長距離にわたって敷設されている
    水源が山奥や郊外にある場合、導水管が10km以上、場所によっては数十kmにおよぶこともあります。
  • 地中深くに埋設されている
    凍結や外部からの損傷を防ぐため、地中深くに埋められていることが多く、目で状態を確認するのが難しい設備です。
  • 高い水圧がかかる場合がある
    高低差や供給量に応じて水圧がかかるため、その圧力に耐えられるよう、管や継手の強度が求められます。

導水管が破裂するとどうなる?

導水管は水道システムの最上流にあるため、ひとたび破裂や漏水が起きると、影響は広い範囲におよびます。

  • 大規模な断水が起きる
    水源から浄水場へ水が届かなくなるため、広いエリアで断水や給水制限が発生することがあります。
  • 復旧に時間がかかる
    導水管は口径が大きく埋設も深いため、破損箇所の特定・掘削・交換工事・埋め戻しなど、大がかりな作業が必要です。
  • 水質管理のための確認が必要
    破裂した箇所から土砂や異物が入り込む可能性があるため、修理後も水質検査や管内の洗浄が行われます。

テレビで報道されるようなケースでは、「導水管の破損=地域全体の水を支える大動脈が損傷した状態」と考えるとイメージしやすいでしょう。

導水管が破裂・損傷する主な原因

導水管は強度の高い素材で作られていますが、長い年月の中でさまざまな要因が重なると、破裂や漏水につながることがあります。

  • 経年劣化(老朽化)
    供用開始から数十年が経過すると、素材の疲労や継手部の劣化などにより、ひび割れや漏水が起きやすくなります。
  • 地震や地盤沈下などの地盤変動
    地震・地滑り・地盤沈下などで地面が動くと、管に大きな力がかかり、破損の原因になります。
  • 豪雨・台風による土砂流出
    大雨で地盤が緩んだり、周囲の土が流されたりすると、管の一部に負荷が集中することがあります。
  • 水圧の急激な変化
    ポンプの停止・起動やバルブ操作などで急に水圧が変わると、管内に「水撃(すいげき)」と呼ばれる衝撃が発生し、負荷となる場合があります。
  • 腐食・錆び
    金属製の管では、長年の使用により内側・外側から腐食が進行し、肉厚が薄くなって破損しやすくなることがあります。

導水管・送水管・配水管の違い

水道には似た名前の設備がいくつかあるため、「導水管と送水管は何が違うの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。役割の違いを整理すると、次のようになります。

名称つないでいる場所流れている水
導水管水源 → 浄水場原水(未処理の水)
送水管浄水場 → 配水池浄水(処理済みの飲み水)
配水管配水池 → 各家庭・建物浄水(蛇口から出る水)

簡単にまとめると、水源と浄水場をむすぶ大動脈が「導水管」浄水場から街へ送る管が「送水管」街の中で細かく水を分ける管が「配水管」というイメージです。

まとめ|ニュースの「導水管破裂」はなぜ大きな問題になるのか

導水管は、ダムや川などの水源から浄水場へ水を運ぶ、生活インフラの要となる設備です。直径が大きく長距離にわたって埋設されているため、ひとたび破裂や損傷が起きると、広い範囲で断水が発生し、復旧にも時間がかかります。

ニュースで「導水管が破裂した」「導水管にトラブルが発生した」と報じられるときは、地域全体の水の供給ルートに大きな問題が生じているという意味を持っています。普段は目にすることのない設備ですが、私たちの暮らしを支えているとても重要な存在です。

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