水道の基礎知識水道法給水装置工事
給水装置工事とは、水道本管から宅地内へ水を引き込むための設備工事を指します。
新設・改造・修繕など、さまざまなケースで費用が発生しますが、これらの費用負担については水道法および供給規程によって明確に定められています。
本記事では、給水装置工事における費用の原則、例外的な扱い、そして注意すべきポイントを詳しく解説します。
給水装置とは、配水管から分岐して需要者(利用者)の建物へ水を供給するための設備を指します。
給水管・止水栓・水道メーター・蛇口など、家庭内に水を届けるために必要な一連の装置がこれに含まれます。
これらの設置・撤去・修繕を行う工事が「給水装置工事」です。
水道法第15条および供給規程では、給水装置工事にかかる費用について、原則として需要者(使用者)が負担することとされています。
これは、「給水装置が個人の財産であり、その使用・維持に伴う責任は需要者にある」という考えに基づいています。
・新設工事:新たに水道を引く場合の費用
・改造工事:配管の変更や分岐増設に伴う費用
・撤去工事:建物の解体や廃止に伴う費用
・修繕工事:漏水・破損などの修理費用
これらは、各自治体の水道事業者が定める「供給規程(約款)」に基づき、すべて需要者の自己負担となるのが基本です。
一般的に、給水装置の所有・維持管理責任は「道路境界から宅地内の部分」までが需要者負担、「道路下の配水管」は水道事業者の管理範囲となります。
境界部に設けられるメーターや分岐装置の設置位置によっても、負担範囲が異なる場合があります。
・配水管:水道事業者が管理(公費負担)
・給水管(宅地内):需要者が設置・維持(自己負担)
・水道メーター以降の設備:完全に需要者の所有物
原則は需要者負担ですが、以下のようなケースでは水道事業者(自治体)が費用を一部または全額負担することがあります。
・配水管側の老朽化や漏水など、事業者の管理範囲で発生した不具合
・災害・地震などによる公的施設損傷の修復工事
・公費による上水道整備事業の一環として施工する場合
ただし、これらはあくまで例外であり、通常の宅地内工事・修理については需要者の責任と負担となります。