水道メーターを建物内に設置する場合

2022年11月29日 15:01
水道メーターを建物内に設置する場合の解説をするツバメに乗った救急水道サービスの水滴マスコット
水道メーターを建物内に設置する場合|凍結防止・作業スペース・安全性を考慮した設計ポイント

水道の基礎知識設備設計屋内設置

水道メーターを建物内に設置する場合|凍結防止・作業スペース・安全性を考慮した設計ポイント

水道メーターを建物内に設置する場合、屋外とは異なり凍結防止・作業性・周囲環境との安全距離など多くの要素を考慮する必要があります。
集合住宅やビル内の配管スペースに設置されるケースも増えており、設計段階からの適切な対策が欠かせません。ここでは、屋内設置時に注意すべきポイントを解説します。

1. 水道メーターを屋内に設置する目的

建物内への設置は、外気や降雪の影響を受けにくく、盗難・損傷・悪天候下での検針トラブルを防げるという利点があります。
特に集合住宅や商業ビルでは、外部配管スペースが限られるため、配管シャフト内やパイプスペースに設置されるケースが多く見られます。

2. 凍結防止対策の重要性

屋内設置であっても、外気の影響を受けやすい配管スペースや北側・床下などでは凍結のリスクが残ります。
凍結による膨張破損や漏水を防ぐためには、断熱材や防寒カバーの施工が必要です。

・メーター外周を発泡ポリスチレン(EPS)や保温材で覆う

・外壁に面したシャフト内では防寒シート・保温ヒーターを併用

・凍結防止栓(自動排水式)を活用し、低温時の水抜きを行う

3. 点検・取替作業に必要なスペースの確保

水道メーターは定期的な検定満期取替え(一般的に8年ごと)が必要なため、交換や点検が容易に行えるスペースを設計段階から確保しておくことが重要です。
狭い配管スペースでは、作業効率の低下や接続部の損傷リスクが高まります。

・メーター前後に200mm以上の作業スペースを確保

・計量部やパッキンの交換に工具が差し込める余裕を持たせる

・点検口を設けて、メーターバルブの操作や漏水確認が容易にできるようにする

4. 他配管・電気設備との干渉防止

屋内の配管スペースには、ガス管・電線管・排水管などが集中することがあります。
これらの設備と隣接してメーターを設置する場合は、安全距離と保守性を確保する必要があります。

・ガス配管との距離を確保し、保守作業時の工具接触を防止

・電気配線は絶縁カバーを施し、感電リスクを防止

・排水管と重ならない位置に設けて湿気・腐食を防ぐ

5. 水道メーターの取付け高さと安全性

水道メーターの取付け高さは、検針のしやすさと保守安全性の両方を考慮して決定します。
床面から300〜1,200mmの範囲内が一般的で、メンテナンス作業が安全に行える高さを基準とします。

・立作業での検針が可能な高さを設定

・過度に低い位置は湿気・虫害・漏水リスクが高まる

・地震時の転倒防止として固定金具やバンドを併用

6. まとめと要点コピーボックス

水道メーターを建物内に設置する場合は、凍結防止・作業スペース・他設備との距離を十分に考慮し、安全で効率的な配置を行うことが基本です。
断熱材の施工や点検口の設置など、将来的な保守を見据えた設計が重要になります。

【要点まとめ|水道メーターを建物内に設置する場合】
・外気に近い配管スペースでは凍結防止対策を徹底
・検針・交換のための十分な作業空間を確保
・他の配管や電線との距離を保ち、安全を確保
・取付け高さは作業しやすく湿気の影響を受けにくい位置に設定
・断熱・点検・固定をセットで考え、長期的に安定した運用を実現
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