
水道の基礎知識施工技術計量装置
水道メーターは、建物に供給される水量を正確に計測し、水道料金や漏水管理の基礎となる重要な装置です。
しかし、設置方向や勾配、パッキンの状態を誤ると、誤計測・漏水・耐久性の低下を引き起こします。
本記事では、水平設置の理由、流水方向の確認、直管部の確保、そして現場施工で気をつけるべき点まで、専門的な視点でわかりやすく解説します。
水道メーターは、水の「見える化」を実現する装置です。家庭や施設の使用水量を正確に測定し、料金計算・漏水検知・節水意識の向上などに役立ちます。
そのためには、設置精度が非常に重要であり、わずかな傾きや誤接続でも精度に影響します。
・流水方向の誤り → 計量値が逆転または計測不能
・傾斜設置 → 内部羽根の回転が偏り、誤差や摩耗が発生
・パッキンずれ → 漏水・空気混入による誤作動
・直管部不足 → 流速の乱れによる精度低下
メーター本体には必ず流水方向を示す矢印が刻印されています。
取り付け時はこの矢印が「配水管 → 建物側」に一致していることを確認します。
水平に取り付ける理由は、内部の回転翼(タービン)や検出機構が重力バランスのもとで設計されているためです。
傾斜があると摩擦抵抗が増し、指針が鈍くなったり、長期的な精度に影響を与えます。
特に渦流式や電磁式メーターでは、前後に十分な直管部を確保しなければなりません。
目安として上流側10D、下流側5Dの直管長を確保します。
水道メーターの接続部には漏水を防ぐパッキンが装着されます。軽く湿らせて座りを良くし、ねじれ・ズレなく取り付けます。
過度な締付けはパッキンの変形や座面損傷を引き起こすため、均等に締め付けることが重要です。
水道メーターは検針や交換がしやすい場所に設置します。屋外メーターボックスは地盤沈下・凍結対策が必要です。
・直射日光・雨水・凍結を避ける
・30cm以上の作業空間を確保
・振動や衝撃を受けない場所に設置
器種・口径・検定期限を確認し、配管を清掃します。
矢印方向を確認し仮組みし、パッキン位置を確認します。
均等に締め、水平器で角度確認します。
通水し漏れを確認し、指針が正常に動作するかチェックします。
水道メーターは通常8年ごとに交換が必要です。内部摩耗による誤差増大を防ぐため、点検と交換を確実に行います。
・交換時は止水手順を厳守
・検定シール保護
・交換後は漏水確認
水道メーターは水平・方向・直管長がとても重要です。正しく設置し、定期交換することで長く安定した計量が保たれます。

