水道管の凍結防止対策

2022年01月12日 12:39
カテゴリ: お役立ち記事
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水道管の凍結防止対策

今回のテーマは【水道管の凍結防止対策】です。
朝起きたら凍結で水が出なくて困ったと言う経験をした人も少なくないと思います。
また、凍結した所が破裂し自宅が水浸しになってしまったと言う緊急対応のご依頼も少なくはありません。
水道管は凍結してしまうと色々な水まわりトラブルの元になりますので、凍結を予防するという事がとても大切です。
また、凍結してしまったとしても慌てずに対処すると言うことも大切です。
こうした凍結の予防や対策はちょっとした工夫で意外と簡単にできますが、知識がないために何をしていいか分からず、気が付いたら凍結してしまい「お家全体の水が出ない」なんて事も少なくありません。
この記事では水道管の凍結を防ぐ方法・凍結した場合の対処方法・凍結防止の時の注意点などを紹介しますので、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。

凍結とは?水漏れとの違い

【一般的な水漏れよりも、凍結の方が大変?】
場所が特定しやすい蛇口などの水漏れと違い、水道管が凍結した場合には配管の内部を確認できないので場所が特定しにくい特徴があります。(お家の構造によります)
屋外蛇口の凍結などであればすぐに解消できますが、そうでない場合には凍結箇所を探すのに手間がかかり、メーター手前側が凍結してしまうとお家の水が使えなくなり、寒い時期が続くと凍結が解消されない(溶けない)ままさらに凍結範囲が広がる事もあります。
さらには暖かくなって溶け始めると土壌や床下から水が吹き出す事もあります。(水が凍る際に膨張し、水道管が破損したり抜けたりしてしまう事が原因です。)
朝は凍結してるので「水が使えない」だけだと思い家を出ると、帰宅までの間に気温が上がり水道管内の氷が解け、水が吹き出していたり水浸しになっていると言う例も多数あります。(この時の水の勢いは蛇口やシャワーとは比べ物にならない程強く、高圧洗浄機程の力で大量の水が屋外水道メーターを閉じない限りずっと出っ放しになります。)
普段簡単に考えている【凍結】ですが、実際に起こってしまうとぞっとするような怖さもあります。
凍結防止の対策を知り「いざ」と言う時には冷静に行動しましょう。

凍結は快晴の朝におこる

凍結は冬場の気温によって左右されますが、実は悪天候よりも天候の良い特に快晴の朝に起こりやすいものです。
逆に雨の日には凍る事はありません。
放射冷却現象と言う言葉を聞いたことがあると思いますが、これに起因しており天気予報で【翌朝晴れ】の予報が出たら【最低気温】も忘れずに確認し、【夜間氷点下】になる時はトラブルを避けるためにも【凍結の予防】をすると良いでしょう。
特に寒い1月後半から2月前半は注意が必要です。

お役立ちポーズ

それでは、具体的にどういう対策をすればいいのか5つの方法に分けて、水道管の凍結防止対策をご紹介します。
※これらは状況によって効果が異なります。対策は各自の判断にて行ってください。

① 水を少し出しておく

まず1つ目は【水を少し出しておく】です。

これは昔からの常套手段なのですが、水を常に動かすことで凍結を防ぐとてもシンプルな方法です。
これはなるべく末端の蛇口(屋外の水道メーターから1番遠い蛇口)などで水を出して配管全体の水が動くようにします。
ただこの方法は水道代がかさみますし、井戸水の場合には電気代がかさむデメリットもあります。
氷点下が長期間続く場合などには、経済的負担がかかってしまいます。
それでも水道管が凍結により破裂してしまった場合には、それ以上の精神的負担や経費がかかってしまいます。シンプルかつ昔から信用されている方法でもありますので検討の余地はあると思います。

○メリット
・シンプルな方法で簡単にできる
・昔から信用されている方法
○デメリット
氷点下が長期間続く場合などには経済的負担がかかる

② 凍結防止ヒーターの使用

2つ目は【凍結防止ヒーターの使用】です。

これは外部の露出水道配管や凍結しやすい箇所の配管等に取り付けるものです。
一定の温度以下になったらセンサーが働いて水道管を温めます。
(一定の温度を保つために電気代が少しかかります。回転の目安としては60ワットから100ワット位の電球位の電気代です。)
また、長さに限界があり範囲が限られ取り付け工事には専門の業者に依頼をしてあらかじめつけておく必要があります。

○メリット
・センサー付き自動運転
・お手頃な電気代
○デメリット
・長さに限界がある
・あらかじめ水道管につけておく必要がある

③ 保温をおこなう

3つ目は【保温をおこなう】です。

一般的に水道配管には保温がされていますが、長年の雨風や直射日光などで劣化してしまい、そのまま放置されているご家庭も少なくありません。
また、保温は厚みがあればあるほど効果がさらに上がりますので既存の劣化した保温剤の上から少し大きめの保温材で更に巻くという方法も簡単でおすすめです。

○保温材とは?
・ホームセンターや建材売り場などで
手に入ります。
軟質塩化ビニル樹脂や高発泡ポリエチレンを使用した断熱材によって凍結防止に役立ちます。
○保温材を取り付ける場所は?
・主に屋外の【露出配管】と呼ばれる外から見える水道管に取り付けます。(給湯器付近など)
○自分でも出来る?
・配管にかぶせるだけなので、簡単に取付けできます。(更にその上から【キャンバス】と呼ばれる非粘着テープを巻くと見た目も綺麗になります。)

また、外で使用する蛇口(水栓柱)にも保温をしておくと良いでしょう。(凍結により蛇口内部の金具が変形し、蛇口の水漏れの原因となります。)
水道管と違い蛇口に保温材は取り付け出来ませんので、蛇口本体をタオルなどの布でぐるぐる巻いた後に紐やテープなどで固定し、ビニール袋などをかぶせておくだけで大きな効果があります。(外気を当てないようにすることが大切です。)
※ 保温だけではお家全体の凍結を防止出来ない場合があります。上記で紹介した【水を少し出しておく】を同時に行うと凍結防止として更に効果的です。

○メリット
・比較的簡単にできる
○デメリット
・保温だけでは凍結を防止出来ない場合がある

④ 水を抜いておく

4つ目は【水を抜いておく】です。

寒冷地と呼ばれる日常的に凍結する地域の水道器具には水が抜けるように作られています。(凍る原因の水を抜いておけば凍結の心配がない為。)
こういった寒冷地仕様にすると、その水道器具の凍結を防ぐことができますが、寒冷地以外のお家では付けていないのが一般的です。

○水道管の水を抜く方法
・水抜き器具がなくても水を抜く方法はあります。
まずは屋外にある【水道メーター】の蓋を開けて【バルブ】を閉めます。次にキッチン・洗面所・お風呂などの【蛇口】を開きます。お家内に配管されている水道管は全て繋がっていますので水道管の中に残った水が蛇口からチョロチョロと出てきます。全て出し切り水が出なくなったら蛇口を閉めましょう。

○メリット
・比較的簡単に行える
・水道管に水がないので凍結の心配がない
○デメリット
・断水して水を抜く場合、お家全体の水が夜間使えなくなる

注意点

①水道メーターを開くとまた水道管に水が行き渡ります。水道メーターを開くのは翌朝にしましょう。
②水道メーターを閉めるとお家全体の水が使えなくなります。(断水状態の為)水道メーターを閉めるのは就寝前や外出前に行いましょう。
トイレはタンクに水が貯まっている為、断水時も1〜2回使用できます。

⑤給湯器を使う

5つ目は【給湯器を使う】です。

給湯器には、電源が入っていればヒーターが作動して水道管を凍結させない機能があります。
さらに循環機能(追い焚き機能)がある給湯器や温水器の場合は自動的に水を回してくれますので効果的です。(機械の説明書にも記載してありますのでご確認ください。)
その際、浴槽循環口よりも10センチほど多く水を張っておくことが大切です。

○メリット
・お風呂に循環機能(追い焚き機能)があればボタン一つで行える
○デメリット
・夜間給湯器を動かし続ける電気代がかかる
・お風呂に循環機能(追い焚き機能)がなければ行えない

注意点

お風呂場が水道メーターより近い場所にあるお家だと、水道メーターやお風呂より遠い水道管が凍結する場合があります。(水の循環が手前だけで行われる為)

凍結してしまったら温める

どんなに気をつけていたとしても、外気温下がり続ければ凍結してしまう事は多々あります。
そんな時の対処方法はずばり【温める】です。
凍結してそうな屋外水道管に検討つけ、ぬるま湯やドライヤーなどでゆっくりと温めていきます。
水道管内全ての氷を溶かす必要はなく、少しでも【蛇口から水が出る】などの水の通り道が出来たら解凍は早いです。
蛇口を開きっぽなしにしてゆっくりと待ちましょう。

注意点

熱湯をかけたりバナー等で炙るのはやめましょう。
急激な温度変化は配管を傷つけ、火器の使用は二次災害の恐れがあります。
ぬるま湯やドライヤーなどでゆっくりと時間をかけて温めるのが基本となります。

凍結してしまったらゆっくり待つ

朝は凍結で水が出なくなっていても、【ゆっくり待っていれば】日中暖かくなれば水はそのうち出てきます。
当たり前ですが日中の気温により水道管内部の氷が溶けるからです。

注意点

もしお仕事などで凍結のまま出かける場合には、念のために水道メーターの元栓(バルブ)を閉めてから外出するようにしましょう。(水道管が凍結により破損していた場合に、氷が溶けると水が噴き出す為)

最後に:凍結対策のポイント

・ポイント①:水の備えを
万が一の為に、氷点下になる前日には水を取り置きしておきましょう。
解凍作業に必要なお湯を作ることが出来ますし、凍結時の生活様式(トイレやキッチン)にも使用できますのでおすすめです。

・ポイント②:凍結した時は次回に活かす
一度凍結した場合には、凍結箇所を確認しておき、その周辺を重点的に保温材などを取り付けると次回の凍結を回避できる可能性があります。

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